才気あふれるホラーの妙

惚れ惚れするような書きぶりで、独自の世界へ誘ってもらえます。

基本はホラー寄りのものが多く、第一話に持ってきた「けて、けて」は中々の切れ味です。
なるほど、最初にガツーンと食らわせようという魂胆かと。
そしてオーソドックスな第二編に進み、第三編でまたガツーンとやられるという。

同じ作者さんの「ほたるさん」シリーズとも関連していますが、そちらを読んでいなくても問題なく楽しめます。

第四、五と読み進め、ホラー度合いの少ない世界を楽しんだところで――

――あれ、ここで途絶えているのかあ、と。
連載中だそうですので、期待してしまいますよね。

このレビューを書くよりずっと早くから、何度も読んでしまった短編集です。
にじみ出る色濃い個性には、実に惹かれるものがあります。

どうか皆さんのお口にも合いますように……。

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