現実と過去を行き交う思いから記憶に働きかける心象風景―。

日常的な負の感情と倦怠感から生じた孤独感と希死念慮を抱えた主人公が『宙の名前』という一枚の写真から記憶が呼び醒まされるように生じたタイムリープ。リープ先は主人公が漠然と人生をやり直したいと思っていた20年前の高校時代―。20年後の記憶を抱えながら、物語は展開していく―。主人公は当時の恋愛と友情に20年後の思考力で向き合い、当時とはずれていく展開と現象に応じながら、死への恐怖を認識する―。

守りたい気持ちをどう向けていくかということについて哲学的な観点から考えてみたい人におすすめの物語です。

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