ファンダメンタルズ

作者 星崎ゆうき

51

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★★★ Excellent!!!

ある地点に戻ることができるなら、自分だったらどこに帰りたいだろうか。と考えたことがある。

もしも高校生に戻ったら、主人公のようにすぐに生活に順応できるかな。
その時の記憶なんてもう曖昧だと思っているけど、案外、身に沁みているものなのかもしれない。

先日、母校に行く用事があって驚いたのは、校舎の位置や何をしていたかが鮮やかに蘇ったことだ。
しかも体育館の匂いが当時のままだったから、特別な何かが自分が居た場所には潜んでいる気がした。

第7話の色彩の感覚が印象に残った。
こどもの頃、クレヨンで描いた虹の色はきっぱり7色で、そこにははっきりとした境界線があった。
でも、ほんとは色は混ざり合って徐々に変化していく曖昧なもので、それを知る大人になったことは、誇らしい気がする。

主人公がタイムリープした理由は何だったんだろう。
昔の姿に戻っても中身は今の自分。経験をしてきた過去を積み上げてきた自分。
そこに意味がきっとあるのだろうと、グングン惹きつけられる。

しかし、一歩ちがう行動をとれば、もうその過去は進んできた過去とはちがってしまう。
望むような過去にするためには、一体どうしたら良かったというのだろう。

★★★ Excellent!!!

もし過去に戻れたなら、その過去を変えようとしますか?
自身が過去へタイムリープすることによって変わり始めた未来。自らの持つ記憶と経験が、未来を変えるのに一役買ってしまう。
哲学的な側面もありますが、主人公の心情にスっと寄り添うことの出来る丁寧な描写が魅力です。また、現代では主流ではないポケベルの使い方も上手いなと思います。
瞬が過去に戻った意味。瞬と恵の間で定められた運命。「ファンダメンタルズ」の意味。そして迎える結末……。
ぜひ最後まで読んでみてください。あなたの心に、この作品に込められたメッセージが届きますように。

★★★ Excellent!!!

丁寧に紡がれた言葉たちが織りなす世界は本当に美しく、立ちのぼる情景にとても心惹かれます。
大切な事が沢山沢山込められていて、その想いに涙がこぼれました。

人の心とは。
人が持つ感覚とは。
本当の本当の事ってなんだろう。
そう自分に問い掛け、世界にも問い掛けたくなる。

すごく好きな作品です、ありがとうございます!

★★★ Excellent!!!

 様々なタイムリープものがある中で、この作品には深いテーマが散りばめられており、そのどれもが線で繋がり、一つの物語を生み出している。運命とは何なのか、生きること、死ぬこととは。そして、初恋という青春の日々。こんなにも世界に入り込み、まるで自分がそこにいるような、そんな錯覚をしたのはこの作品が初めてだ。
自分はこんな作品が読みたかった。

★★★ Excellent!!!

物語の中盤、まだ展開もラストも予測できないのに、涙が止まらなくなりました。
物静かながら、凛と美しい文章。
星空や花火の鮮やかな描写。
言葉に表されていなくても、伝わってくる感情。
ラストが近づいて、一度は突き落とすような展開を迎えた物語は、ゆっくり癒されていくのに、相変わらず溢れる涙で画面を見るのも困難で。
こんなに泣かなくていいのに。
ふたりはうまくいってるじゃないか。
そう思いながら読み進めていると、現れては深長な発言を残す謎の少年の残酷な言葉によって、また、運命は狂いはじめて──

止まらない涙が、温かいものだったのか、哀しいものだったのかは、作品をぜひ読んでほしいと思います。

タイムリープするファンタジーであるのと同時に、二十年前という時代で、精神疾患というものがどうであったか、考察する現代ドラマでもあります。
何だか眠れないとか。
集中力が続かないとか。
そんな『当たり前』ができないことが、病気であるとは認められず、理解されなかった時代。

深く、切なく、愛がつまった作品です。
どうか、ひとりでも多くの読者の心に響きますように。

★★ Very Good!!

哲学的な語り口で綴られる物語です。

人の生死の意味や運命などの途方も無い概念に対して思考する姿は、なんとも情緒的で人間らしさを感じます。

ただ自殺を選ぶことがいけないという思考停止した結論ではなく、本人を慮る姿勢や、心の不可思議にもメスを入れているように思います。

タイムリープ物ということで、やはり重要なのはエンディングだと個人的に思います。

いやはやこの結末は、予想した中ではある意味一番のものでした。

運命を捉えて生きることを考える時間も、良いのかもしれません。

★★★ Excellent!!!

正直、作者さまに対して、
「なんで終わらせちゃったんだよ!」
って思いました。
不思議な展開に、先を読まずにはいられない。
そんな数日だったから。
でも、この終わり方だから、こんなに余韻が残るのでしょう。
ぜひ読んでみてほしい作品です。

彼女を想う主人公の葛藤が、切なくて、胸に迫りました。
本当に、大事に思っているのだなと。