第6話鍛冶師(下)
正吾は、西洋の剣を造ろうと思いインターネットで調べてみた。それは、いろいろな造り方があり鉄板から切り出して削ったり、鉄を伸ばして棒状にしてから鍛えて削ったりと、いろいろな方法があった。
「じゃっ、始めるかー」
正吾は、質の悪い玉鋼を持ってきて炉に入れ熱し、スプリングハンマーを使い引き延ばしていく。ある程度引き延ばすとまた炉に入れ、今度は横幅を5センチぐらい、厚さを1センチぐらいに整えていく。これを繰り返して均一になると、今度は先端を真ん中でとがらせ、反対側の25センチぐらいを真ん中で3センチ位からだんだん細くなるようにしていき最後の方を1センチ位にする。
「とりあいず、できた。それにしても時間かかったなー」
何とこの作業で3時間もかかったのだ。
「これじゃー、時間かかり過ぎだなー」
「とりあいず、こいつを仕上げるか」
と言って、また黙々と作業を始めた。
さっきの剣をまた炉に入れて熱し、横側(刃になる部分)を叩いて薄くしていく。これを繰り返して均一にして刃のようにしていく。それが終わると、また炉に入れて熱し、取り出したら油の中に剣を入れある程度冷めるまでまつ。待つ間に15センチ程の鉄の棒を炉に入れ熱し、真ん中に剣の細くした方の厚さと同じ位のあなを開けて、さらに両端を熱してねじる。
剣を取り出して油を拭き取り、さっき作った鉄の棒の穴に剣の細い方を通して5センチになる所まであげる。
その鉄の棒の下に合わせて木を削り、握りを作っていく。木には、余っていた皮を張って、一番下に鉄で留め具のようまものを作った。
「やっと、出来たー」
「やっと出来たか」
「うん。まだ刃は作ってないけど」
「まぁー、見してみー」
「はい」
「あまあまじゃのー。まぁー初めてじゃしこんなもんかのー」
「厳しいなぁー、じぃちゃんは」
「まぁー、それは良いとして昼にしようや」
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