第3話裏庭にダンジョンが……(下)

素振りを終えた正吾は、シャワーを浴びて祖父と朝食をとる。朝食をとると時にテレビをつけてニュースを見ると、ほぼすべてダンジョンのことを言っていた。ニュースの内容は、『全国各地にダンジョンが出来て警察と消防、自衛隊が動いて一般市民のダンジョンへの侵入を禁止する』『ダンジョンを見つけしだい警察に連絡する』『ダンジョンの発見された場所から半径1キロ圏内の住民が避難させられる』と、いうものだった。


「なぁ、じぃちゃん」

「どぉした?」

「家の裏庭に、これ出来てたよ」 

「本当かぁ?」 

「あぁ」


すると画面が切り替わり、官房長官の会見が始まった。官房長官は、『緊急処置としてダンジョンへの侵入を法律で禁止し、破った場合は処罰がある』と、言った。


この放送を見て正吾は


「じぃちゃん、これ連絡した方がいよなぁ?」

「そうじゃあなぁー。でも家の周り半径1キロ圏内に家はないし、家だけ避難しても対して変わらんじゃろー」

「それもそーよなー」


と、言うことで、家のダンジョンは通報しないことにした。


「それと、今日そのダンジョンに入ったんだ。そしたら変な大鼠が出来て、そいつ倒したら変な画面みたいなのが出てきた。」 

「ほぉー、そんで?」


正吾の祖父はけっこう乗り気だ。


「その画面がゲームみたいなので、レベルとか書いてあったんだ。そんで、分からんと思うけど、初心者セットってスキルを取得したんだ。その初心者セットってやつがけっこうよくて、地図出したりできるんだ。その1つに『鑑定』って言うのがあって、それで大鼠見たら食えるらしんだ。」

「で、その大鼠を食ってみたいと?」

「まぁー、そーゆーこと」

「じぁーその大鼠だしてみぃー」


と、言うので空間収納から大鼠を出した。


「今、どっから出したんじゃ?」

「さっき言った初心者セットの1つで空間収納って言うやつで、よく分かんないけど別空間に収納出来るらしい。」

「なるほどのー。それは、便利じゃのー」

「じゃー捌くか」


と、言って外に出て大鼠を捌き始めた。

まず、自分で作った出刃包丁で、頭を落とし逆さにして血を抜き、さらに血管の近くに血を抜くための、コンプレッサーの水バージョンのような物で血を抜いていく。次に内蔵を取り出し、皮を剥いでいく。最後に尻尾を切り落として、適当な大きさにきり分けて今から食べれる分以外わラップをして冷蔵庫に入れた。


なぜこんなに手際が良いかと言うと、祖父は鶏を飼っていて、その鶏を締める作業を手伝っていたからだ。


食べるほうの肉は一口サイズに切りフライパンで焼いていく。すると、とても美味しそうな匂いがいっきに広がり、食欲をそそる。両面が焼けると正吾は直ぐに口に入れた。


「…………っ、うめぇー、何だこれそこら辺の肉より段違いにうめぇー」

「ほー、どれどれ………っ、これはうまい」


それから5分も経たないうちに冷蔵庫に入れていた肉も全て食べきっていた。


「なんだこれ!」

「全部食べてしもーたわい」


「なぁーじぃちゃん、これから毎日ダンジョンに入ろうと思うけど、いいか?」

「かまわんよ」


こうして、正吾は毎日ダンジョンに行くことになった。

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