真の友情と信頼とは、かくあるべし

 古典文学やライトノベルの二次創作は数あれど、近代文学ものでは珍しいので読んでみたのですが……予想以上の完成度にまず驚かされました。これ、普通に太宰治の作品の隣に置いていいんじゃないでしょうか。
 友のために走るという、原作のシンプルな展開を踏襲しつつ、辿り着いた町で遭遇する人々とやりとりをかわし、それゆえに葛藤する展開が秀逸。オリジナルでありながらも原作を尊重し、その空気をそのまま移した完成度の高さは、どんな読者も一気に作品の世界へ引き込むこと間違いなしです。

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