とても輝かしい光に溢れて、影もあります。(多少ネタバレあり)

小説の第一文ってのはものすごく気を遣う! 何故ならそれが全然だめだったら即読まれなくなってしまうからだ! ちとジャンルは違うが、とある漫画家なんかは出だしを書くためにあらゆる作品の最初の一ページを研究したくらいだ! さて、その前提を踏まえた上でこの作品の出だしの一文を見てくれ!

女の子の証拠、ばいんぼいんを揺さぶりながらモンローウォークで行く美女。

すっっげえ! この作品の雰囲気を詰め込んだかのような文章! 特徴を表すのに擬音を用いることで文章の柔らかさを表現して、しかも分かりにくさが無い! 俺正直「!?」って目線がくぎ付けにされたもん! こんな感じで独特ながらも、分かりやすさを備えた文章がそこらにある! センスが違う! 俺と違い過ぎる! 

失礼しました。
この作品は穏やかな雰囲気でストーリーが進行していきます。黒樹とひなぎくの愛、黒樹の連れ子達の兄弟、姉妹愛。とても輝かしい光に溢れています。そして光には影が付くものです。複雑な家庭事情のことで(E17)あったり、出会った夫婦の事情(E25など)など要所要所で現実に起こる暗い部分も描かれています。それが故に光が際立つ、この方はよく分かっています。是非ともご一読を。

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