自作トラップギミック集 (TRPG 供養会 Advent Calendar 2017#19)

 この記事は、TRPG 供養会 Advent Calendar 2017の第19日目の記事として書かれている。 https://adventar.org/calendars/2345


 SW2 のトラップギミックといえばフェイダン博物誌 P.102~ 掲載の愚行領 (トラップ領) と罠データがある。こういうデータがたまらなく好きである。

本記事では戦闘や探索などと併用して使うことで緊張感を与えるように作ったトラップおよびその案を紹介する。

 SW2で使ったし、説明もSW2向けに書いてあるが、他のシステムでも使えるだろう。



〇トラップ 1「ランススリット付き落とし穴」


 落とし穴の底に何かしらのエサがある。そのエサを取りにいこうと落とし穴を慎重に降りる冒険者を待ち構えたランススリット (壁から飛び出してくる槍) が喰らう。

 落とし穴そのものの発見難度は低めに設定する。平均レベル +3 とか +4 程度で良いだろう。しかし、ランススリットは標準的な罠と同等の値とする。

 ランススリットではなく、降りるのに使っている命綱を切るためのナイフが飛び出してくる、とするのも良いだろう。ランスと併用しても構わないが、理不尽な印象を与えるかもしれない。

 穴の底にはセッションの目的であったり、ちょっと高めの報酬を用意しておく。例えば「先行している冒険者を遺体でもよいので回収すればボーナスを出す」と記載した上で他の冒険者の亡骸を設置するなど。



〇トラップ2「氷の坂」


 寒い地方の洞窟。足元は坂である上に凍り付いており、転倒すればそのまま坂を滑り落ちることになる。滑り落ちた先には他のトラップを用意しておいても良い。ないしは、後衛が転げ落ちることを期待してレベル帯に比較して弱めの敵を坂下に置いておくのも良い。例えば、レベル5程度の魔法使いにとってはゴブリンやボガードといった格下の敵も近接されれば十分な脅威だ。

 上述のような環境下で相手を転ばせることに長けた敵を用意する。ないしは、スリープを使う敵も良いだろう。ただし、「転倒したら坂を転げ落ちる」と先に告げておくこと。

 転ばせることができない敵でも「命中または回避の出目が5以下だったらバランスを崩して転びます」としても良いかもしれない。ちょっと理不尽な気がするので卓の状況にもよるが。



〇トラップ3「ぬめぬめした床」


 床がぬめぬめしており、原則として敏捷度が半減する環境。早く抜けたいそんな場所に限ってブロブやシングといった強くはないが確実にパーティに被害をもたらす敵が毎ラウンド天井から落ちてくる。

 ブロブやシングは冒険者の武具を破壊することに集中する。

 単純な嫌がらせにすぎないので案外面白くない罠。酒を持っているキャラクターがいたら使うとドヤ顔で使える機会とできるので良いかもしれない。



〇トラップ4「バネ付きドアと前室。そして毒ガス」

 ドアの向こうは幅1m程度の通路。2m程進むとまたドア。どちらのドアも鍵はかかっていない。しかし、何らかの機構 (恐らくはバネ) によって押さえていないと勝手に閉まる。奥のドアをあけた先は細く長い通路。

 こういうシチュエーションで通路をある程度進んだところに敵を配置する。ある程度進まないと敵を視認できないのが好ましい。この敵には毒耐性を何らかの手段で付与しておく。そして、戦闘開始と同時に天井のスリットが開き毒ガスが散布される。毒ガスの例はフェイダン博物誌 P.108, 109 にいくつか掲載されている。


 毒ガスはドアで閉ざされた閉鎖空間にどんどん散布されるため濃度が上がっていく。その結果、徐々に抵抗に必要な目標値が上昇していく。素早く敵を倒して隠された排気スイッチを押す必要がある。

 排気スイッチを押すまでの間この濃度上昇に耐えられないと判断したのであれば、PC が誰か一人、後方にあるドアをあけ放つ必要がある。しかし、ドアを1つ開けたところで狭い前室があるのみであり、濃度は下がらない。さらに、手を離すと勝手に閉まるため原則として誰か二人が後方に下がってドアをあけ放っておく必要がある。


 毒ガスの種類や基準値によるがかなり厳しい罠。敵が格下でも脅威を感じさせたりできる。私が実際に使った時は後述する狂気ガスを散布した。



〇トラップ5「狂気ガス」


 吸い込んだ人を狂気に陥れるガス。対象となった者は生命抵抗判定 (目標値は冒険者レベル平均 + 4) を行う。成功すれば特に影響を受けず、失敗すればバニッシュ/フィアーを受けた時と同じ悪影響を受ける。

 割と効果が致命的なので抵抗難度は低め。前述のバネ付きドアセットと組み合わせるとそれなりに脅威を感じて頂けるのではないだろうか。





 こうやって割と自信があった自作トラップをリストアップしてみたが、案外数がないものである。もっとダンジョンものやりたいなぁ。

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