怪異の湧き出づる処。思いの源へと。

怪異を描くということは人間を描くということに他ならない。怪異を読み解くということは人間の情念を読み解くということに他ならない。本作を拝読させていただいて、あらためてそんなことを考えさせられた。江戸の空気を感じさせてくれる文体も秀逸。渾身の一作である。

できれば救ってやりたかった。そう思わされたということは、感情移入できる人物像を描くことに成功しているということだろう。

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