読者も作中の登場人物も迎えるだろう結末を知りながら、ユーモアあふれる文体で描かれているおかげで明るく楽しく読み進めることができる。ほのぼのとしたシーンに惚気や笑いがたくさん詰まっており、そのおかげで時折のぞかせる悲しみがより一層印象的になる演出がとても良い。
幸せは、当たり前のことのようでいて、決してそうではない。あまりにもあっけなく、あまりにも儚いものが幸せというもの。それに気付かされる、素晴らしい作品でした。作品にマッチした文章もまた、感動を際立たせてくれます。
ふっとほのかに笑いながら読み始め、あっという間に切ない。主人公と同じように、泣くもんか、と思っていても、最後の方ぼろぼろに泣きました。もっと早く出会っていたかった小説。出版されたら買う。買う、買います!
切ない恋愛小説を読みたいと思い、この小説を読み始めました。読み終わると悲しい、切ない、ではなく、優しい、あたたかい、が残りました。とてもあたたかく優しい世界観で雨風強い不快な今日の天候でさえ気にならなくなり、素敵な時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます(^^)
とにかく彼女がかわいい。いつも笑顔で活発で、おまけに気遣いも出来る、なんて世の男性のまさに理想のような彼女ではないでしょうか。そんな彼女の姿がまるで写真を見ているかのようにはっきりとイメージできる、作者の描写力の賜物ですね。だからこそ、最後の場面には胸がギュッと切なくなりました。これから主人公はどんな人生を歩むのでしょうか、彼女が迎えに来る事をいつまでも望んでいられるのでしょうか。それとも、他にもっと大事な人ができてしまうのかな。
微笑ましいエピソードによって描かれる独特の寂しさ。絵を描くように一日一日を積み重ねていって、辿りつくラストシーンが綺麗だなと思いました。文章の持つリズム感も心地良いものでした。私の枯れた心が潤ったのです。