1話1話に読者を楽しませようとする気持ちが満ちている

この作者さんは、笑える小説を書く名手です。

どの作品を読んでも「元々面白い人が、渾身の力を込めて面白い話をしている」「1話1話に読者を楽しませようとする気持ちが満ちている」と感じます。

連載中の『隠居魔王の成り行き勇者討伐 倒した勇者達が仲間になりたそうにこちらを見ている!』や、完結済みの長編『魔王になりたい俺の友は善人として称えられる』もおすすめですが、入門編としては『萌語物語』がいいかも知れません。

1話800字程度でサクサク読み進められます。

幼女の姿をした萌の神様「萌神」が、萌えを知らない青年・波野雄常に「萌え」を語る、という会話形式の作品で、メイド、ツンデレ、どじっ子、巫女……といった基本的な萌えからマニアックな萌えまで、語り尽くしています(途中で仲間が増えます)。

会話形式というと、いかにも単調になりそうですが、決してそんなことはありません。漫才風にしたり、コント仕立てにしたり、あの手この手で楽しませてくれます。

基本的には一話完結ですが、回が進むうちに、萌神と雄常の関係に少しずつ変化が……。その関係性にこそ本当の「萌え」が潜んでいたりして、ほっこりもします。

この作品、ぜひ「あらすじ」から読んでください。
そこからもう面白いです。

秋の夜長に笑いたい人におすすめ!

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