チートも魔法もいらん、ゲンコツでぶちのめせ!
作者さんと繋がって以来、ずっと彼の格闘もの読みたいなーと思っていたんですがね……もう最高です。こういうど真ん中を突き進む空手ネタってなかなかなくて。しょうがなく自分で書いてみたもののマイナー路線まっしぐらで、ああ、明るい空手もの読みたいなあと思っていたところでこれなわけです。度肝を抜かれる空手力。圧倒的な押忍力。素晴らしい。
この作品はとても仲間うちで評判が良い。仲間うち、というのは格闘技仲間ばかりでなく、創作仲間からもです。とにかくスカッと爽快で、読者に媚びたところや作者の知識自慢がない。やはり物語の王道というのはこうでなければいけない。まさしく期待してたものです。
そしてこの話はアクションやパロディだけでなく、とにかくキャラクターがいい。特に主人公がいい。そして仲間たちもいい。エルフも姫騎士もいい、オークまでいい。さあみんなで空手をやろう!
小説を読む時間が惜しい・忙しいという方もいようが、
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圧倒的な疾走感、きっと時間など忘れるだろう。
事実、1話読了に飲み物を一口・タバコを一口以上の時間はかからぬ。
この作品には飲み物もう一口、タバコもう一口を忘れる強い魅力があるからだ。
私のタバコは一口吸ったのみで、数話読了後にほぼ燃え尽きていた。
相手が魔人であろうとミノタウロスであろうと空手で必殺
今拝読している重装騎士など、「4tトラックと立ち会う」事に比べれば余裕であろう。
肉体の信望者である主人公は真の勇者であろう。
ゲームのファンタジーに慣れた者には違和感があるかもしれないが、勇者とは己の力で戦う漢だ。
ゲームにありがちなチート(勇者専用武器等)を与えられたファンタジーヒーローなど及ぶべくもない。
彼のメインウエポンは鍛え抜かれた拳だ。
身に纏うは空手着のみ。
勇者の剣?究極魔法?そんなものいらぬ。
鍛え抜いた拳と筋肉がある。
甘ったれたRPGファンタジーを粉砕する、真摯に己の武道を貫く勇者である。
なお、小説的にショートストーリーとしての完成度が抜群。
筆者の腕も神速の正拳といえる切れ味だろう。
さして時間はかからぬ。騙されたと思って一読をお勧めする。
……って書きましたが、私、空手って全く知りません。
まだ『空手』のことよく知らないから愛してもいません。
だけど、めちゃくそ面白いです!(←だったら、なんでそのキャッチコピーにしたw)
異世界に飛んだ主人公は、女神から『チートスキル』を貰えると言うのに、要らん、と一言。
『空手』の道を究めたいだけ、それにしか主人公は一切興味はない!
アホである! マジモンの『空手バカ』である!
戦闘描写は、立体的で空間をノビノビと使っているのに……挟まれるギャグ(?)にやられます。
炎を素手で捌くシーンとか、『なんかそれっぽい理屈』を言っているけど、絶対無理だろ! とツッコみたくなる勢い。
反則級でしょう、この面白さ……この作者さん、SF書いているイメージあったけど、コメディー作家さんでしたね……
(印象がガラリと変わった瞬間であった……)