星占いは十三位
星占いが十三位だった日、バイト先でいつも素うどん百九十円を頼むあの子が誕生日だっていうから、卵をひとつ落としてやった。おいおい泣き出すもんだから参ってしまった。共に働くおばさんは言う。このくらいの年頃の女の子は寝癖が直らなくたってきゅうりが冷蔵庫で干からびてたってかなしがるのよ。おれは十分の休憩をもらって事情聴取につとめたけれど、結局なにも聞けなかった。
嫌いな卵でうどんを台無しにしちゃった? おれの気持ちが鬱陶しかった? 狼人間だったとか? 女の子はひとつの謎で、物語だ。
そのうちあの子は店に来なくなって、こりゃ月に帰ったかなと思っていたら隣町で男と歩いているのを見かけた。
つまりは十三位の結末。
2017/12/2 #Twitter300字ss(@Tw300ss)
第三十八回 お題『贈り物』
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