いばらの咎

作者 田所米子

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★★★ Excellent!!!

豪華絢爛な文章で、退廃的な世界が書かれています。退廃的な世界が好きな方は是非おすすめいたします。
兄と妹は共依存。でも、様々な事情があって、お互いの魂がどんどんすり減っていきます。しかも、母の虐待と、父の無関心・兄の歪んだ独占欲で、妹は人形のようにさせられています。良く言えば純真無垢なのですけれども。
妹は、どう自我を獲得していくのか、はたまた獲得しないのか、暴走して兄をどうにかしてしまうのか、非常に楽しみです。でも、やっぱりちょっとダーシアちゃんにも楽しい日々が来ることを期待しています。5ミリくらい。

新展開になり、ダーシアちゃんが成長したかと思いきや、兄との共依存が泥沼化する予感がして来ました……。非常に美味しい展開です。
ああ……この焦土感がしんどいですが、わたしはダーシアちゃんを応援しています。

★★★ Excellent!!!


陰謀、狂気、嫉妬、殺意--漆黒の闇が渦巻く美しい世界で、背徳的な、然し麗しく甘やかな芳香漂う禁忌の愛を育む兄妹。

緻密に創り込まれた幻想異郷で繰り広げられる罪深い物語を綴る、圧巻の筆力に、眼を、心を魅了され、瞬く間に惹き込まれてしまいました。

何処か歪みを抱く登場人物達は皆、それでも思わず愛してしまいたくなるほど魅力的で、惹きつけられます。
そしてそれは、時に陰惨にも感ずる物語の流れにも当て嵌まり、煌めきに溢れた見事な文章力、構成力に心が躍り、胸の高鳴りが已みません。

辛くとも、可哀想であろうとも、「嗚呼、何て面白い!」とときめき、心が湧き立つ--。

抗えぬ魅力溢るるいばらの世界を、是非、共に堪能致しましょう。

★★★ Excellent!!!

この上なく美しい物語です。
豊富な語彙と繊細な言葉選びで積み上げられた世界観は鬱屈としていて、ロダンの地獄の門をほうふつとさせます。ひとを圧倒させるものがあります。
しかしただの雰囲気小説ではないのです。
みんな生きている。
ひどく残虐で、いびつで、みんな今にも一歩向こう側に踏み出そうとしているのに、ぎりぎりのところで人間であることを保っている。
この人たち、今までいったいどうやって生きてきたんだ?と思うほどゆがんでいるのに、確かに生きてきたんだな、というのも分かるんです。
生々しい生。それが綺麗な言葉に包まれてザクロの実のように爆ぜているのです。

主人公のダーシアはお兄ちゃんであるエルゼイアルが大好き。
――とだけ書くとなんだか微笑ましい兄妹の物語のようですが、二人の間には恋慕の情と肉欲が存在し、幼いながらもあさましく求め合います。
それが父親である王の目には獣のように汚らしく映ったようですが、二人の関係は何があってもけして揺らぎません。
ただ、周囲の策謀によって引き裂かれていく。
それでも私には永遠の愛が感じられるのですね。
なんだかんだ言ってダーシアはその愛を糧に生きていくのだろう。そんなたくましさを感じるのです。
周囲を固めるキャラクターもみんな魅力的です。常に何かやらかしてくれそうな気配を漂わせています。そして期待はけして裏切りません。

この甘美な世界に一人でも多くのひとに浸ってもらいたい……。

(現在第一部が完結したところです。次からの更新も楽しみに待たせていただきます!)