第7話

いきなり身体強化魔法で突っ込んできたアレイア先生をとりあえず横殴り、突撃の勢いのままにおもいっきり吹っ飛んだが、なんとか着地したようだ。

「いまの突撃を退けるか、さすがだな」

「いや、なんのフェイントも無しにまっすぐ突っ込んでくるのは、予想通りというか」

「なら、これはどうだ?」

言ってすぐに、アレイア先生が消える。とりあえず、後ろに拳をつき出すと、何かが当たった感触と、ドサッという音がした。当たりだ。


「ど、どういうことだ!」

「肉眼で認識できないほど加速し、相手の背後をとる。あんたがよくやる戦法だ。鼻血でてるぞ?」

「なるほど、なら」

アレイア先生はふたたび加速し、距離をとる。

「距離をとって体制の立て直しか?これあるの忘れてるだろ」

ボーガンを構えて射つ、弾道は下方にそれてアレイア先生の足元の地面に刺さる。


「ふ、ハズレじゃないか」

「さてさて、それはどうでしょう?」

「何?...ぐゎ‼」

アレイア先生の足元で小型の竜巻が発生し、横回転で吹き飛ばす。


「お次は、よっと」

よろけるアレイア先生の足元に再び矢を放つと、今度は植物のつたが現れ、アレイア先生に絡み付く。皆さんお分かりの通り、○○プレイってやつだ。


「くそ、身動きが取れない」

「先生って、スーツ越しでもわかるくらいスタイルいいですよね。俺にそんな趣味は無いですけど、男子生徒には目の保養かな?」


男子生徒の歓声が聞こえる。見ると、目が釘付けになっている奴や、必死に鼻を押さえている奴がいる。一方の女子は、完全に引き顔だった。

ヒメもだった。

いや、外の評価は気にするな。冷たい視線に負けるな、俺。


アレイア先生の首元にボーガンを突きつける。

「俺の勝ちでいいですね?早く降参しないと、つるがヤバイところまで侵入するぞ?」

「あぁ、私の負けだ。このつるだが、お前が望むならこのままでもいいぞ?」

「な⁉」

「冗談だ。早く解いてくれ、スーツの中に入ってきた」

「あぁ分かった」


こうして、俺は結構あっさり勝てたのだった。

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ブラコンの妹とシスコンを認めたくない兄が異世界の扉を発見した結果。その2 秋野シモン @akinoshimon

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