おまけ・結婚記念日


「ただいまー」


「モシャモシャ…おう、おかえり、モシャモシャ」


帰ってきたら、嫁がチータラもしゃってた。


今日は結婚?記念日。


ムードの欠片もないが…取り敢えず。


「ティア、これ」


「なにソレ」


「結婚記念日のプレゼント」


渡すや否や、ラッピング袋をビリビリに破いて中身を確認しようとするティア。


きっと気に入るハズ。


「わー、ありがとー…って、おい」


気に入…


「はい」


「なんなんだ?これは」


「ブラジャ…」


「見りゃわかんだよ!なんでプレゼントにこれかって聞いてんだ!!」


らなかったらしい。


「だって貝殻じゃ痛いと思って」


「んな理由で記念日にブラ買って来るバカいるかー!!」


ティアがゴミ箱にブラジャーを袋ごと投げ入れた。


ナイスシュート。


…って言ってる場合じゃない。


「高かったのに…」


「そもそも布の面積狭いんだよ!」


それは俺の好みだが。


「大人買いしたチータラも入ってたんだけどなぁ?」


「えっ、うっそん!」


「嘘」


「…………」


…尾ビレで往復ビンタの刑。


「スミマセンでした…」



腫れた顔で謝る俺。


……プレゼントは気に入ってくれませんでした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る