人魚、釣れちゃいました。
萱草真詩雫
1・独身男の願望
俺は嫁が欲しい。
とにかく嫁が欲しい。
アラサーになった今、周りは大抵皆結婚している。
未だ独り身なのは俺だけだ。
いい加減独身生活ともおさらばしたい。
高望みはしない、ただちょっと顔が柴咲コウ似な美人系で、体型はボンキュッボン。
性格は良妻賢母なら尚最高。
でももう1度言う、高望みはしない。
顔が良くて体型も良くて性格が良けりゃ良い事だ。
そんな嫁さん、どこかに落ちてないだろうか。
そんな事を考えながら俺は湖で釣りをしていた。
何故かって?
たまの休みの日だ。
暇じゃない、やる事ないもの。
じゃあ出会いを求めに街へ繰り出せ?
それは願い下げだ、俺は自分から獲物を取りに行かない。
向こうから来るのを待つタイプなんだ。
だから敢えて唯一の趣味・何も釣れない湖でひたすら釣りをして時間を潰す事。
餌も針すら付けず何時間も。
え?
どこが楽しいのか?
フッ、凡人には分からんだろうこの素晴らしい趣味は!
誰にも邪魔されず、嫁への理想像を浮かべる。
ただただ妄想しながら糸と湖の境界線をずっと見つめている時が一番の至福なのだ。
所謂インスピレーションを働かせているとでも言おうか。
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