2・釣れちゃいました


こうして妄想という名の理想像に耽り、ボケーっと糸を垂らしてる事3時間。


突然竿が有り得ない程しなった!


重い、重いぞ!


ヤバい!これじゃ持ってかれる!!


「うおおぉぉおー!!」


雄叫びを上げながら全ての力を使い思いっきり竿をあげる。


すると。


バッシャーン!!!


と勢いの良過ぎる水音と共に女性が釣れた。


「生魚食えなーーいっ!!」


「ええええぇー!?」


女性と同時に叫んだ俺。


女の人釣っちゃったよ!


つかモロ好みなんすけど!!


顔は美人系、髪の毛は黒髪で両サイドが首の真ん中辺りの後ろロング、姫カットというやつ。


…で、ボンキュッボン。


身体はピッチピチだ。


文字通りピッチピチと尾ビレをばたつかせ跳ねているという意味だ。


…ん?


尾ビレ…?


胸には絵本かなんかで見た事のある貝殻がブラジャー代わりになってて…


下半身はヒレの付いた魚…


「いたたたたっ!あー、助かった」


「喋ったーー!?」


コレって、コレって、もしかしてぇーの?


いや、まだ分からない。


夢なのかもしれないじゃない。


俺は女性のお尻に当たる部分を触ってみた。


ウロコの感触が確かにある。


「何すんのよこの変態!」


ビッターンッ!!


「あいたぁっ!」


尾ビレで頬を殴られた。



…夢じゃない。


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