2019年12月1日に発売された書籍「ルクトニア領繚乱記 猫かぶり殿下は護衛の少女を溺愛中」読了後、こちらの原作を読ませていただきました。
書籍と原作は物語が大きく異なっています。
でもどちらも最高に面白い!
原作はアルフレッドがツンデレでカッコよく、最後まで彼の魅力が溢れていました。もちろんオリビアも可愛いです。
しかし書籍の方はとにかくオリビアが等身大で心情がするりと読者に伝わり、常に応援したくなる。もちろんアルフレッドも素敵なのですが、女性としては感情移入できる後者の方に軍配があがるかも。
しかししかし、どちらも違う物語なので、単純に比較できず……結論、どちらも読むべし!
胸きゅんの恋愛ファンタジー、もうすっかりわたしもルクトニアの風に吹かれ二人と一喜一憂する住人になっていました。
アルフレッドとオリビアが永遠に幸せでありますように!
また受賞作「ルクトニア領百花繚乱円舞曲」の書籍化もなされますよう心から祈っております。^-^
本作は『ルクトニア領百花繚乱円舞曲』の続編にあたります。
前作の主人公たちの息子、娘を主人公とした、いわゆる昨今流行りの「二世もの」。前作を読んでなくても十分楽しめますが、やはりここは前作の主人公たちが親世代になり、いまも幸せでいることを確認できる楽しみも含めて、前作『ルクトニア領百花繚乱円舞曲』から読んだほうが、より楽しめるのではないでしょうか?
本作の主人公は、前作の名脇役ウィリアムの娘オリビア。彼女は騎士である父に倣うように、領主の息子であるアルフレッド・オブ・ルクトニアの護衛の任についていた、男装して。
彼女か守るアルフレッドこそは、前作の主人公アレクシアと、女装の美青年ユリウスの間に生まれた男子であり、オリビアの幼馴染でもあるのだ。
本作は、前作に寄せられた読者からのコメントをアイディアの基幹としているらしいです。
「ユリウスに息子ができたら、彼も女装するのか?」
しそうな気がしますねー。そして、そこにウィリアムの娘を登場させ、彼女は男装してもらう。なんか冗談みたいな設定ですが、この「女装男子」と「男装女子」の幼馴染二人の恋が、本作の基本的なストーリーであります。そしてそこに、もう一本、金髪少女連続殺人事件を二人が追うという、もう一つミステリアスなストーリーが絡み、見事な二重プロットとなっています。
幼馴染であった二人が成長し、子供のままではいられなくなり、そろそろ婚姻とか政治とか、そんなことを考えなくてはならなくなった頃、二人の気持ちはすれ違いはじめて……。
しかし、そこに金髪の少女が誘拐されて無惨に殺害される事件が起き、二人は協力してこの謎を追うのですが……。
きらびやかな宮廷描写や貴族の生活をリアルに描きつつ、あくまで少女小説としての体を崩さない本作は、恋愛小説好きの少女や、かつて少女だったお姉さま方の期待を裏切らない甘くて華やか、アクションあり謎解きありの快作です。
また前作を読んだ方なら、かつての登場人物たちの成長した姿や、その後のエピソードも楽しめておいしさ二倍。
ちょっと危なっかしい息子と娘の活躍も、親目線で楽しめます。期待を裏切らない作品であります。
なにげにフォローしようとして、すでに200人以上のフォロワーがいるのを見て、正直ビビりました。
そのフォロワー数の多さが、ぼくの100の言葉よりも本作の魅力を雄弁に語っていることでしょう。
女装して夜の街へと遊びに行くアルフレッド殿下と、男装して彼の護衛のためについていくオリビア。
そんな二人の友人が殺人事件の被害者となってしまい――?
殺人事件を縦糸に、オリビアとアルフレッドの恋模様を横糸に紡がれていく物語に、思わず一気読みしてしまいました!
オリビアが鈍感すぎて、もう、アルフレッド様が不憫で不憫で……(涙)
その上、前作「ルクトニア領百花繚乱円舞曲」に出てきたアレクシア、ユリウス様、ウィリアムさん達が再登場するとなったら!
読まずにはいられないでしょう、これはっ!!
親子二代にわたっての女装男子の恋の行く末がどうなるのか……。
どうぞ、その目でお確かめくださいませ。
幼馴染の二人がそれぞれ女装と男装をして事件解決に挑みつつ恋を育てる物語です。
夢とときめきがたくさん詰まっています。
ルクトニア領領主の息子のアルフレッド、女装はなんだか楽しそう!
でも、男装をした幼馴染のオリビアには振り回されっぱなしで、恋はうまくいきません。
せっかくいい雰囲気になることもあるのに、オリビアはぜんぜんアルの気持ちに気づいてくれない!
その様子が何ともいじらしく可愛らしく、読みながら私の方が「あー!」とか「ぎゃー!」などと言って興奮していました。
はたしてアルの想いはオリビアに届くのか!? きっと届くって信じてるけど、でも、いつどうやって!? ここまでやってもオリビアは気づいてくれないんだよ!?
アルを応援せずにはいられませんでした。
また、背が高くなったとか、男らしくなったとか、時々異性であることを意識してしまう描写が入るのも幼馴染もののおいしいところ。
なかなか運命を感じられないのだって二人の距離が近すぎるから。
分かっちゃいるけどもどかしい!
でもそのもどかしさがラブストーリーのいいところなんですよね。キャラと一緒になって一喜一憂していました。
最後の大団円にはほっと息をつきました。お幸せに!
『ルクトニア領百花繚乱円舞曲』という作品の続編、子世代編ですので、百花繚乱で活躍していたみんなが大人になって政治をしたり子育てをしたりする描写が盛り込まれています。
前作から引き続き拝読した者としては、いくつになってもウィリアムもユリウスもかっこいい……!とときめかされました。
みんなが幸せそうで何よりです!
二代連続でハッピーエンドになってくれて私も安心です。
ぜひぜひ百花繚乱の方もお読みください。
こちらの作品は、『ルクトニア領百花繚乱円舞曲』の外伝ですが、単体で楽しめます。
単体で楽しめるのです、が。
本編を読了済だと、いろいろなご褒美が待っています。
悶えます。
んああああ!!……ってなります。
ぜひ、本編もあわせてお楽しみください。
とはいえ、とても完成度の高い本作。外伝から入っても……いいんだぜ?
ある事件から物語が始まり、ミステリー調の展開が続くのかな?と思いきや、ハラハラを経由しつつのあらあらやっぱりキュンとくるじゃない?と思ってたら、ヒィエー!!かっけーー!!となり、ああああなにこれもうニヤニヤする!!みたいな、心電図がえらいことになってそうだけどそれが心地良い、素敵な読書体験ができます。
もう、リア充爆発なんてしないでくださいみんな末長くお幸せに。
領主の息子であるアルフレッドを護衛するため、動きやすい男の格好をするオリビア。
そのオリビアのお見合い相手を女装をして誘惑し、次々に縁談を破談にしていくアルフレッド。
損な幼馴染の二人の、もどかしくて甘酸っぱい恋の話にドキドキが止まりません。
跡継ぎ問題。巷で起きる不穏な事件。アルフレッドの気持ちに全く気付かないオリビアなど、障害は数多くありますが、それらを乗り越えていく二人の姿に胸を撃たれました。
『ルクトニア領百花繚乱円舞曲』の外伝作品ですが、こちらから読んでも問題ありません。
ピュアな恋愛話が好きな人にはたまらない作品となっています。
女装男装とそれぞれが性別とは逆の格好で活躍する物語ですが、その姿ゆえに二人の内面的な可愛らしさと格好良さが際立ちます。
友人までもが巻き込まれた不穏な事件、身分差による問題、そして成長して変わっていく幼馴染という関係。
こ手に汗握る展開に加えて、これから二人はどうなるのかとハラハラドキドキしっぱなしで、目が離せませんでした。
またコメディシーンも楽しい!
二人の軽快なやり取りに、クスッと笑ってしまうこともしばしば。
物語の舞台もしっかり作り込まれているのですが、重く難解に感じさせない作者様の素晴らしい筆力でさらりと読めてしまいます。
ドキドキとキュンキュン、ワクワクとハラハラ、たくさんの要素が詰まった至極のラブストーリーです。
前作の子世代が織りなす、新たなルクトニアの物語!
前回のような、国を揺るがすほどのことはなく、平和です。
とはいえ、サスペンスはどこにでも起きるものです。
金髪碧眼の娘が殺害される事件を追う、アルとオリビア。
前作のユリウスと違い、息子であるアルは自発的に女装をしています。ウィリアムの娘であるオリビアは、前作のアレクシアのように振り回されていますが……。
読み進めていくうちに、アルの方が振り回されている気もします。
カッコつけたいけどウブなアルと、真面目で考えると一直線なシャーロット嬢の性質を受け継いだオリビアの、周りを巻き込んだ幼馴染ラブストーリー。
前作を読まれた方は、今作でもページをめくるたびに「きゃー!!」と叫ばれるでしょう。そして、最後に「三部読みてぇ!」と思うことでしょう!
※なお、この物語の真のラスボス(事件の方じゃないよ)は、前作でも活躍した保育士・ウィリアムです。
男装女子と女装男子がお送りする、ちょっと胸キュンで時に驚くファンタジーサスペンスです。
まず文章がシンプルでありながら、描写は丁寧で無駄が無く、時より織り込まれるユーモアが読みたい感を加速させます。
読み進めていくと、恋愛的な盛り上がりとサスペンスのゾクッとする盛り上がりが交互にやってきて、読んでいて飽きることがありません。
更新速度も頻繁で、せっかく先が気になっていたのに何日も待ち惚けを食らうなんて事が無いのも個人的にはポイントが高いです。
この作者さんの作品はいくつか拝見していますが、どれも一定のクオリティを保っていて面白く、是非同作者の他作品にも手を伸ばすことをオススメします。個人的なオススメは「ラピスラズリ」と「金の瞳の彼女に、恋をした」です。