三人称(神視点)と読者のメタフィクショナルなせめぎ合い

地の文(三人称)に人格を持たせたらこうなる、という反則技ファンタジー。

天使の趣味がウェブ小説執筆というのもぶっ飛んでいますが、エタった(途中で連載が止まること)小説を完結させるために読者が作中で続きを演じることになる、という経緯がユニークです。

天使の書いた「地の文(ナレーション)」に従って読者は動かなければなりません。
が、天使はもともとエタっちゃうような根性ナシですから、だんだん文章もヤル気がなくなって、支離滅裂になって行くんです。
そんな中でも読者は必死に物語を続けようとしていて……両者のギャップに笑いました。

異世界召喚の理由付けを、こういう形で処理したのは邪道ですが、面白い試みだと感じました。イロモノ、キワモノではありますが、着眼点と発想に高評価です。

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