石が繋ぐ、現実世界と不思議な異世界。奥深く鮮やかな想像力は圧巻。

第4章まで読了した時点でのレビューです。
フリーターをしつつ実家暮らしをする櫻井義経くん。彼はひょんなきっかけから石の採取に魅了され、河原に通い詰めるようになる。そこで出会った美しくも不思議な女性、「マシン子」。彼女の存在が、やがて彼の生活を大きく変えていく。
彼女との出会いが、やがてどう展開していくのか——。それは読者の想像をはるかに超え、とてつもなく広大で奥深い世界へと読む者を引き込んでいきます。

作者の描く異世界は、一つ一つが非常に鮮明。まるでその情景や生き物が目の前に存在するかのように、イメージの中に立ち上がります。そして、それらを支える構想がしっかりと組み立てられており、安心してその世界に没頭することができます。登場するキャラクター達も皆それぞれに深い魅力を持ち、ストーリーを一層味わい深いものにしています。
また、読者を惹きつけて離さないのが、登場人物達のコミカルな会話。とても固かったり重たいはずの場面も、彼らの温かみのあるやり取りのおかげで柔らかな気持ちで読めてしまう。こういう空気が、ただの異世界物ではない強い魅力を放っています。
物語はまだ途中。巨大な岩を砕きながら先へ進めば、その奥に輝く何かを見せてくれるに違いない——そんな期待を抱かずにはいられません。

ここまでの際立つ面白さと、この先への期待。多くの人に読んで欲しいと自信を持ってお勧めできる、魅力的な物語です。

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