鮮烈で深い余韻を残す短歌二十首。

念入りに小綺麗に整えられることなく、胸の奥から吐き出される感情と言葉たちを勢いのまま撒き散らすかのようで、それでいて一首一首にしっかりと一つの感情を描き切り、着地をしっかりと決めている二十首。迸る熱量と、それをコントロールする冷静で的確な感性。そのバランスが見事だと感じます。読み終えて、タイトルの巧さにも思わず唸りました。
あれこれと感想を述べるよりも、まずは味わってみてほしい。ストレートにそう感じる、鮮烈で深い余韻を残す二十首です。