概要
17歳。あたたかな日々を愛する“ぼく”の暗黒青春ミステリ
※本作は『森村蒼の傍観』にも再編集の上、収録されています。
佐村和馬の日課は、階下から聞こえてくるピアノ演奏に耳を澄ませながら部室で電子工作をすること。
佐村和馬のひそかな楽しみは、時折お茶請け持参で訪ねてくるピアノ奏者にコーヒーをふるまう事。ついでに手ぶらでお茶請けを強奪しにくる幽霊部員にもコーヒーをふるまうこと。
穏やかながら退屈することのない、いつまでもこうしていられたらと思えるような日々。ところが先代部長の今井慎郎から、平穏を脅かすような情報がもたらされ……。
忌まわしき殺人事件は何故起こってしまったのか?
日常ミステリーを――日常ミステリーに潜む悪意すらも愛する人々に贈る暗黒青春倒叙ミステリー!
佐村和馬の日課は、階下から聞こえてくるピアノ演奏に耳を澄ませながら部室で電子工作をすること。
佐村和馬のひそかな楽しみは、時折お茶請け持参で訪ねてくるピアノ奏者にコーヒーをふるまう事。ついでに手ぶらでお茶請けを強奪しにくる幽霊部員にもコーヒーをふるまうこと。
穏やかながら退屈することのない、いつまでもこうしていられたらと思えるような日々。ところが先代部長の今井慎郎から、平穏を脅かすような情報がもたらされ……。
忌まわしき殺人事件は何故起こってしまったのか?
日常ミステリーを――日常ミステリーに潜む悪意すらも愛する人々に贈る暗黒青春倒叙ミステリー!
実のところ俺はねぇ、ギフトってのがこわくって、見ただけで震えだすんだよ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!在りし日々を象ったライトモチーフ
これは終わらない時間というモノをかなり意識して書かれてる作品です。
永遠の象徴たる日常を土台にしてる事はモチロンですが、十三番から一番に移行するという意図を曲調に潜ませ、循環する時間を象ったトロイメライという楽曲が兼ね備えた構造を、存分に活かしていることからもそれは明らかであるように思えます。
人はみな、目を背けたくなる場面に相対した時、在りし日を思い焦がれます。その意識の動きを楽曲の意図と符合させ、
本来は物語に干渉できないハズの読者の意識をも作品の枠組みの一部として取り込み、オーバーライトが有した永続性に寄与させているのではないか。そう思います。
願わくばこの縁取られた時間が、彼らにとっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!【ネタバレあり】好機ドーテイ的問題(3秒ぐらいで考えました
レビューの中にこの作品の真相に触れる部分があります。未読の方はご注意ください。
本作『オーバーライト』をお読みになった皆さん。この作品は非常に怖い、そして巧いミステリでしたね。
もう読み終わって私は怖くて怖くて怖くてたまりませんでした。
何が怖いって?それは
純な童貞主人公を操るヒロイン(真犯人)の存在がです!!
いやーもうすべてがヒロインの掌の上!!主人公はかわいそうです。ちょっとばっかし察しが良くて童貞だったばかりに絡新婦に狙われてしまったのです。
特に第8章「暖炉のそばで」でのこの会話なんてガクブルものです…続きを読む