死に逝く空の彼方に１～腐食の霧と天空奏者～

　1999年、一度この世界は滅んでいる。悪魔や天使と呼ばれる人外の生物によって。多くの年月が流れ人はそれらと戦いながらも文明を維持し続けた。
　2559年、とある国の片隅で一人の天使が処刑された。数日後起きた赤い惨劇と呼ばれる事件――。
　奇形種討伐組織【紅の空】第七部隊隊長イクシはその任務を任された者の一人だった。彼にとって最低にして最悪の事件。
　イクシは雨のホームで一人の少年と出会う。かつて何でもない護衛任務で知り合った富豪の息子――だと思われた彼もまた、赤い惨劇に携わるものの一人だった。

　『死に逝く空の彼方に』

　奇形種と人の一つ目のゲームが始まる。


■登場人物紹介　人間サイド■
ソルト・ペテグリュー……大富豪の息子。医者を目指している。高校を出て上京してきた。裕福な暮らし…続きを読む