送り火の夜に、古都で起こった怪異譚。

 京都と言えば日本の古都として、今や観光には欠かせない場所となっている。しかし、そこには人々の暮らしがあって、歴史があって、独特の文化がある。そして、古都だからこそ、そこには古より怪異が語られる。この物語ではいわゆる鬼とか狐とか、そう言ったものが出てくる妖怪退治モノではない。だからこそ、身近な怪異に恐怖を覚える。
 京都の送り火。山に炎の文字が浮かぶ。子もりを言い渡された主人公だけが、「雷の音」の音を聞く。主人公にはこの怪異に心当たりがあった。それは、けして振り返って見てはならないモノだった。
 もしも見てしまったら――。
 衝動に負けて主人公が振り返ろうとした、次の瞬間!
 ある声が響く。
 さて、主人公が体験した身の毛もよだつ怪異の正体とは?

 是非、ご一読ください。