素肌にコートでグレネードランチャーをぶっ放す流血ヒロインはお好き?

政府が機能しなくなった日本は某大国の掌の上で踊らされ、
内戦により荒廃を極めることとなった。そんな架空の未来。
「生体義肢」の実験の陰に、せめぎ合う孤独と渇望がある。
年月を経て実験に革新の兆しが見えたとき、死闘が始まる。

前章では自衛隊員のケイイチ、本章ではスパイのキッカが
生体義肢の移植を受けた経緯が初めに語られ、話が導かれる。
生体義肢とは、生体由来の筋肉と骨から成る生身の義肢を
神経細胞レベルで接合し、脳の随意によって動かせるものだ。

天涯孤独のキッカはある日、敬愛する川島博士に懇願され、
Aファイルと銘打たれたデータを届ける秘密の任務を負った。
決死の情報漏洩作戦を後押ししたのは、頼れる先輩のモリノ。
程なくしてキッカは何者かに追跡され、命の危機に晒される。

ハママツで偶然にも出会う人々には血の通った温もりがあった。
キッカは、同じ戦闘用生体義肢の被験者であるソウマと再会し、
拭い切れない違和感と張り巡らされた罠の存在に気付いていく。
危機に次ぐ危機をくぐり抜け、やがて対面する黒幕の正体とは。

強く冷徹で美しく、同時に弱く純粋で儚いキッカが魅力的。
悲しい運命に抗って戦う血濡れのヒロインがお好きな方に
ぜひおすすめしたいハードボイルド・スパイアクション。
細マッチョから癖あり後衛陣まで、男前もそろってます。

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