静寂が鳴り響くその先には

主人公の心理描写が丁寧に描かれた青春恋愛小説です。
ある日突然、他人の「声」が聞こえなくなってしまう女子学生。
その過程を通して、読み手は肉声というものが他人を認識する上でどれほど重要な位置を占めているかということを改めて知ることになるでしょう。
大事な人を失ったときの喪失感は計り知れないものがありますが、徐々にそれが奪い取られていく絶望感というのもまた残酷です。