彼の名は、ミシェル・ネイ

歴史小説としてはやや珍しい19世紀フランスが舞台。
かの有名なナポレオンを中心とした物語が史実に基づいて描かれます。

日本の戦国時代や幕末と比べると馴染みがない時代ではありますが、非常に分かりやすくかつテンポよく史実が語られますので、その世界観に無理なく入り込んでいけます。
また本作の白眉は、緊迫した戦場での戦闘シーン。
臨場感溢れる筆致で軍人達の命を懸けた戦いが描かれることで、彼らの潔い生き様が伝わってきてぐいぐいと物語の確信へと引き込まれてゆきます。

長編歴史小説としては、やや短めの本作です。
タイトルの意味や最後の種明かしなど、物語の構成も秀逸です。
馴染みがない時代と敬遠せず、是非ともご一読ください。

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