棄てたのは棄てられないもの。

易々と手離せるはずがないもの。

考えるほどに深みにはまっていく気がします。棄てる、という言葉が何回も頭をぐるぐるとして、棄てるってなんだっけ、そう簡単に棄てられるものだっけと思い返したり。
棄教、というタイトルから膨らむ想像と、想像を絶する葛藤。何かを棄てるときは未練などが生まれてしまうものですが、三人の手記から推察される棄てるものの重みを考えると、この世界がいかに絶望的か、噛み締めてしまいます。

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