手記の形を取っている読み物って、わくわくします。
革表紙の手帳に、意味深に挟んでおきたくなるような短編です。
続きを読むのが恐ろしいような、楽しみなような……。
内容は間違いなく悲劇なのですが、
語られない部分が想像力をかきたてます。
アルデア真書によって女神に対してわずかな疑念を抱いてしまった彼女の心。棄教、というタイトルから、それは単に信仰の問題として読み進めていましたが、その最期のあたりを読んでそれがそうでもないんじゃないか……信仰者であってもひとりの人間なのだ、というふうに捉えると、生々しい辛さを感じました。
(コメント欄より)続きを考えておられるとのことで、もしも書かれることがありましたら、ぜひ読ませていただきたいです。