第5話効果

「お金でワクワクするために」リストを作成、実行したことで、心身に変化が生じました。

 わずか三日後のことです。

 私の職業はホテルのフロントと食事サービス係の兼業というハードなものであるにも関わらず、心に余裕が生まれ、体の不調サインが減りました。

 おそらく、「お金でワクワクするために」リストと同時にタイムスケジュールも作成、実行した相乗効果でしょう。

 どんなに忙しくても二十三時には就寝、五時に起床。勤務開始までに数時間も余裕があるのであれば、読書や執筆に充てる。朝食作りに凝ってみる。

 もちろん、眠い日もあります。それでも、常に何かをしたくて眠るのが惜しくなるのです。

 さて、経済的な効果はどうでしょうか。

 スケジュール帳を開くと……?

 五月と比べて、六月の出費は日常に関して四千円ほど多いのですが、これは仕事用の靴を調達したからです。

 他には六月、ホテルの勉強のために、県内二ヶ所に旅行しました。

 二回の旅行でかかった費用は、交通費、宿泊費込みで三万円。

 それ以外では、五月と六月、金額がほとんど変わらないのです。

 それでも、家計簿を見ると月で感想が異なります。

 五月のスケジュール帳を見ると、私は悲しくなりました。

 「うわぁ、こんなに使ったんだ……」

 一方、六月のスケジュール帳を見ると、驚きました。

 「えっ? 私って、これだけの額しか使っていなかったの? その割には満足度が高いんだけれど」

 この違いを上手に表現できれば苦労などしないのでしょうが、これだけの差があるのです。

 この効果は金銭感覚にも影響します。

 何に使い、何に使わなければ後悔しないか。心から楽しめるか。常に自問します。

 今では、風水で有名な黄色いお財布に頼らなくても大丈夫みたいです。

 余談ですが、現在の私のお財布は金運によろしくないであろう(と思うだけ)ピンク色の猫柄です。

 話を戻しますが、お金の使用にメリハリがついたので、自然と一円も使わない日もでてきます。

 私はこの日をNO MONEY DAYと呼んでいます。

 さらにこの日の枠を赤色のマーカーで囲み、お金を使った日とそうでない日が一目で分かるようにしています。

 その赤い枠の数も、五月と六月で差が出てきました。

 六月の方が、一つ多いのです。

 これはまだ始めたばかりなので、これくらいの結果なのでしょうが、おそらく継続したら最初の五月と比べて大きな差が出ると思います。


未来

 さて「もし」の場合ですが、皆さまはどのような理由で節約やお金のやりくりを始めるでしょうか?

 おそらく多くの方は「生きるため」「将来の蓄えのため」お子さまがいらっしゃるご家庭の方々は「子どもの教育資金を貯めるため」とお答えするでしょう。

 それはそれで充分立派だと思うし、必要なことです。

 ですが、それ以上に、自分の人生を楽しむことも考えなければもったいないと思いませんか?

 はい? 「だったら、加藤ゆうきには、人生を楽しむような夢があるのか?」ですか?

 もちろん、ございます。それも二つ。

 最終目標から申し上げると、一つは独立しスタッフとともに生み出した利益で社会に貢献すること。

 もう一つは作家として活躍。図書館、学校、書店、場所を問わず、多様性のある価値観を読者さまにご提供すること。

 どちらも生半可なことではありません。気の遠くなるほどの時間を必要とします。

 それに、一つずつステップを踏まなければなりません。

 まず、前者は経営を学び、任されるために支配人に出世しなければなりません。いや、なりたいのです。

 ホテル業を経営したいとは思いませんが、他業種の方々が集まり、経済概念を学ぶにはホテルが良いと考えております。

 もちろん、私自身が接客業を好んでいるというのも、大きな理由です。

 ですが、好きの一言では支配人になることはできません。

 一人一人のお客さまにとってのオンリーワンを何百回、何千回も繰り返し、社内外の絶対的な人望を集めて初めてなれる立場です。

 また、後者は、まず新人賞を受賞してプロデビューすることが必須です。

 お世辞にも私がカクヨムにて公開している作品は完璧とは言い難いです。読者の方々にご指摘いただくこともしばしばです。

 二つの目標の礎となる最初のステップですら、非常に困難なことです。

 それでも私がその困難ですら楽しんでいるのは、お金でワクワクする方法を身に付けつつあるからでしょう。

 また、ステップを踏んだあとどうなるのかを想像しただけで、私の心は空を飛ぶように軽くなるのです。

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