若い感性が紡ぐ、甘い匂いの日記帳。

噛りかけのリンゴが変色していったり、
温泉たまごのようにグツグツと煮詰められたり、
ハンバーグのように成形されたり、
トンボでごろごろと平らに均されたり……。

たくさんの段階を経て、
ベルトコンベアーに乗って、
同じような大人が量産されて──。

それでも夢に見るのです。
例えばこの日記を読んだ時に、
『ああ、懐かしい!』と思える感性を、
心の何処かにしまいこんだのです。

だから、夢に見るのです。

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