ぐずぐず飯屋「残り物」

30歳、サバサバ系オンナ、優しいはずの彼氏にふられた。
やけ酒の後、ふらりと入った店は「ぐずぐず飯屋　残り物」
巷で噂の、ふられたオンナが元気になれる店、らしいが。

クソババア、最高！
身も蓋もない毒舌接客に、すごくスカッとする。
こんなふうにやっつけてもらったら、確かに元気になれそう。

何度でも行ってみたい。
この店主のうっわー！って態度と言葉と視線に触れてみたいです。

ほんと、うっわー！って何度も思うのに、読後感が心地よい温かさ。

やっぱり、なんどでも行きたいなあ！

なんなんだこのクソババアは最高じゃないか。
この根性のひん曲がったクソババアには、真っ直ぐ通った芯がある！
こんなババアと話ができるなら、もう一度フラれてみるのも悪くない。

切れ味鋭い毒舌
でも正論
ときどき、前言撤回っていうかなかったふり

マイナス要素ばかり掛け合わせた結果プラスになるみたいな、ふしぎなポジティブさを貰えます

タイトルから、どう頭をひねっても「美味しい話」に結びつかず、コワイモノ見たさ（大変失礼な物言いで、すみません！）
で拝読。
彼氏にフラれた三十路のOLが、ヤケ酒のしめにと入ったお店がなんとも妙なご飯屋であった。
そこからこのお話は進んでいくのですが、見事に「美味しい話」へと繋がっていくのです。
OLさんと、店主とのやりとりが今作のキモであると思われますが、「定食A」の描写は実に美味しそう。
掌編、短編はかくあるべき、かのような筆さばきは一読の価値は充分あります。
もっともっと読まれて欲しいな、と拙いレビューで失礼いたします。