番外編

最終章


〔緑のエーサク〕



草村 「どうだった?こんなもんでしょ。」


翔 「いやいや、これ、文化祭で流すレベルじゃないでしょ。」


清美 「そうそう、戦闘シーンなんか、物凄い迫力だし。」


氷河 「て、いうか、俺って、物凄くイメージ悪くない?」


冬季 「ああ、悪いな…」


友生 「最悪だね。」


憂稀 「最低~」


光 「多分、上映が終わったあと、石投げられるレベルだね。」


スー 「ワタシモドウカンデ~ス。」



ガックリと肩を落とす氷河、恨めしそうに脚本を書いた、草村を睨む。


場所は、ある高校の一室、そこにいたのは、さっきまで走ったり、飛んだりしてた面々だ。



翔 「でも、下着はヤバいでしょ、絶対PTAから苦情が来るぞ。」


憂稀 「私なんか、いきなりパンチラだよ~。」


緑 「あたしは別に構わないけどな。」


清美 「スーなんか、ほとんど裸のシーンがあったよね。」


スー 「ワタシハスッポンポン、ヘイキデ~ス。」


草村 「下着は読者を引き付けるのに、絶対不可欠なんだ。」


翔 「いやいや、読者ってなんだよ、これ文化祭で流す映画だよな。」


香 「ねえ、あたし死んじゃうの?」


氷河 「でもさ、やっぱり幼なじみの同級生が母親って、無理があるんじゃない?」


草村 「いいんだよ、読者はタイトルに惹かれるもんだからな。」


翔 「だから、読者って 誰だよ…」


レイ(雲田) 「ところでさ、僕は外国人の意味あるの?普通に雲田でいいんじゃない?「雲」の字も入ってることだし。」


草村 「いいや、謎の転校生は、外国人とアメリカの女の子って決まってるんだ。」


憂稀 「女の子はアメリカ人って決まってるんだ…」


光 「しかし、氷河のコスプレは凄かったな。」


氷河 「フフフ、あれは自慢の1枚だからな。」


光 「そういう意味じゃないんだけど…」


香 「ねえってば、あたし死んじゃうの?」


翔 「そういえば、スーとレイ(雲田)が転校してくるシーン。あんなシーン撮ったっけ?」


草村 「あれはCGだ。クラスみんなの顔をキャプチャーして、適当な体をくっつけた。まあ、憂稀と絡む生徒だけは、撮影に協力してもらったけどな。」


冬季 「勝手に使っていいのか?」


草村 「大丈夫だ、ちゃんとみんなの許可は取ってある。まあ、修正ありってことでな。」


清美 「修正?」


草村 「ああ、1人1人の希望を聞いて、修正した。ほとんどが目を大きくとか、小顔だったかな。中にはスリーサイズを指定してきた者もいるぞ。」


光 「先生もいたよな。よく許可したな。」


草村 「友生達の担任は、髪の毛3割り増し、翔の担任は5才若く。本人は10才若くって言ってたけど、あんまりやると、現実味がないから、マイナス5才で、手を打った。」


冬季 「よく作れたな、あんなもん。全然わらなかったよ。」


草村 「お父さんに頼んだらノリノリでさ、自分の好みの髪型にしたりしてたよ。」


翔 「たしかお前の親父さんて…」


草村 「ん?ああ、アニメ制作会社の社長。」


光 「まさに、職権乱用。アハハ。」


友生 「あの~、盛り上がってるところ、悪いんだけど、なんで僕が男の子の役なの?!僕、女だよ。可愛い制服着たかったのに。」


草村 「だって、白いし細いし。」


憂稀 「いつも僕、僕って言ってるし。」


翔 「胸ないし。」


友生 「う…」


冬季 「少年体形だし。」


友生 「うう゛…」


清美 「名前も、ちょうど男の子みたいだし。」


氷河 「男装見てみたかったし。」


光 「僕はどっちでも良かったんだけどね。」


緑 「やっぱり思った通り、よく似合ってた。」


スー 「モエマシタネ~」


草村 「なんだかんだいっても、男女でベッドシーンはヤバいし、スーなんか裸で抱き合ったからな~。一応、言い訳出来るようにって事で。

体形的には、香でも良かったんだか、香には最後、凍ってもらわなきゃならなかったんだよな。」


香 「ねえ、あたし死んじゃうの?」


翔 「いやいや、女の子同士でもヤバいでしょ。」


憂稀 「下着はボカシを入れて欲しいな、やっぱり恥ずかしい。」


草村 「そうだな、後で苦情とかきたら、面倒だし「謎の光」でも入れとくよ。」


清美 「謎の光?」


氷河 「知らないのか、アニメでは、裸や下着のアップの時に、必ずどこからともなく照射される「謎の光」があるんだ。他にも「謎の黒い影」や「不自然な髪の位置」とか「不自然に張り付く服の切れ端」があるんだ。」


清美 「あ、ああ、そうなんだ…」


草村 「つねに読者の目を気にして漫画は書かないといけないからな。」


翔 「お前、読者、読者って、まさか自分の漫画の題材を俺達にやらせたな?」


草村 「ああ、ちょっと映像が欲しかったからな。いい参考になったよ、ありがとう。」


レイ(雲田) 「でもさ、これって「環境問題」をテーマにって事で、文化祭の上映許可をもらったんじゃなかったっけ?」


冬季 「最後の方、少し環境問題に触れてるみたいだけど、ほとんど中二病かかってるからな~」


清美 「憂稀のお父さんと、友生のお母さんにも、お礼言わなきゃな。」


翔 「そうだよな、憂稀のお父さんって、緊張しまくりだったもんな。」


憂稀 「お父さんなんて、ほとんど顔しか映らないのに、新しい服まで買ったんだから。」


友生 「うちのお母さんは、まるで女優になったみたいって、喜んでたよ。」


緑 「あたし、最後の方の清美と風見のシーン好きだな。」


憂稀 「あ、私もあのシーン好き。ちょっと感動して涙が出て来た。本当の恋人みたいだった。」


草村「人間関係はリアルにいきたかったからな。あたしの趣味は、人間観察だ。毎日みんなを観察してればわかる。」


清美 「ちょ、ちょっとそんな訳ないじゃん。ね~風見君。え?風…見……君…?」」


翔 「お、俺… 実は……前から、お前の事が…今度の中間テスト、俺が勝ったら付き合ってくれ…」


友生 「え~!?このタイミングで告白!?


清美 「い、い、い、いいわよ。ううう受けてた立とうじゃ、じゃないの!そそそそんなな事事で、土曜す、する、私じじゃないわ。」


氷河 「動揺してるな。」


光 「うん、かなり動揺してる。」


レイ(雲田)「カップル成立だね。」


緑 「そういえば、冬季もなんか変じゃなかった?」


冬季 「お、俺は違うぞ、光の事なんて、なんとも思ってない。」


光 「僕は、冬季の事、大好きなんだけどな。」


草村を除く一同 「え゛…!??」


冬季 「そ、そうか。お、俺は光がいいなら、俺もいいぞ。」


草村を除く一同 「え゛~!!??」


草村 「ハァハァハァ…」



緑 「よし、2組もカップルが成立して、映画もとりあえず完成した事だし、みんなで乾杯するか!」


一同 「せ~の、カンパ~イ!!!!!」



この日は、夜遅くまで賑やかな話し声が続いた。

彼等の名前は「緑野山(リョクノサン)高等学校映画作成部」通称「緑のエーサク」

次はどんな作品を見せてくれるのだろう。今後も彼等から、目が離せない…



おわり…


香 「ねえ、ねえ、あたし死んじゃうの?ねえってば~」


草村 「ああ、悪い悪い、忘れていた。ほれ、光。」


光 「あいよ!ほい!」


「ポンッ!」


香 「あ、生き返った。」









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幼なじみは、僕の母親!? じんべい @invoke

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