時間と距離のちょっと先、そこに手が届くと、未来はどう変わるのだろう……

 主人公は中学生、ヒロインは大学院生。
 小さな想いと思慕の念とのベクトルは、それぞれが別のほうを向いていて……。

 こう表現すると、この物語は恋愛小説で……。ヒロインが気になる主人公は、少年と呼ばれることを厭いながらも躍起になって……。でも、がんばる姿は甘酸っぱい。

 ギガヘルツ、振動数は時間を表し、同時に距離の説明にも使われる。
 これだと、しっかりとしたSF作品なのである。時間と距離の概念を捉えるのは、少し難しいかもしれないけど……。
 でも、SFとして読むのもおもしろい……。

 そんな時、ヒロインが実験中の教室から忽然と消えてしまう。
 このヒロインを主人公は、どのように救出するのか? そして、その後のちょっと先には、なにが待っているのだろうか?

 やはり、この物語はSFの要素が散りばめられた、恋愛小説なのだろう。
 皆さまが、手を伸ばしたちょっと先に見つける感情は、どんなモノだろうか?

その他のおすすめレビュー

浅葱 ひなさんの他のおすすめレビュー339