久々にカクヨム作品を読ませてもらいました。
僕はこの作品の本編である、本宮忍の事件ファイルも読ませてもらっているのですが、この作品には本編とはまた違った面白さがあります。
それは登場する親子やインド人の魅力もなのですが……
何よりも、カレーという誰もが知っている料理を謎にからめ、物語の主軸としていることではないでしょうか。
爆弾魔とか殺人鬼とか出てこない、日常の一部を切り取ったような小説。
僕らが当たり前に感じている日常のなんでもない出来事は、誰かにとってはとても大切なことなんだろうなどと考えさせられてしまいました。
最後にはほのぼのと、そしてほっこりさせてくれる、なかなかない探偵小説です。
6歳の奈々子ちゃんが行方不明になることから物語はスタートします。背景には「子どもを簡単に預けられない」という現実を書かれているところが、世の中に伝えるべきこともあり、大事なことだと思って読ませていただきました。
それを探偵である本宮忍(オネエというキャラに楽しい意味でびっくり!)と、桜井梨央が、奈々子ちゃんが残した一枚の謎のメモに挑みます。
全ての謎が明らかになった時、そしてカレーの意味。
全てにおいて美味しさと、愛が詰まっています!
そして、カレーが純粋に食べたくなる、そんな素敵な物語でした。
是非、一読されてみてください!
余談になりますが、物語の本家をまだ読んだことがない私なのですが……。素敵なスピンオフになっていると、感じられました。本編、気になります!
短編でありながら、とても上手い構成と文章力によって創造された物語です。
主人公であるオネエ探偵と相棒の事務所に、血相を変えた依頼人がやってくるところから始まります。奇抜なキャラは本編で楽しむとして、依頼人の幼い娘が残した謎のメモを巡って、事件がどのように解決されるのか。そして「美味しい話」はどう絡んでくるのか。読み手の好奇心を多いにくすぐってくれます。
捜索途中で出てくるインド人には、笑いました。
エンディングに向けての盛り上げかたが、また良いのです。そしてオチも見事に決まりハッピーエンドを迎えます。
お家でコトコト煮たカレーほど、ホッとする料理はありませんね。
今作をご覧になって、夕飯はカレーをいただきましょう。レトルトでは味わえない、手作りカレーを。
いなくなった娘を探す母親と探偵の、コミカルですが最後はほろりとくるハートフルな話です。
カレーについては、家庭の数だけレシピがあると言われますが、私は似たような感じでしたので、うんうん頷けました。
この作品を読むにあたって注意点があります。
いなくなった直後の娘を探すのに、警察ではなく探偵に頼むのか?
小さい子どもが一人でここに書いてあることができるのか?
など、邪推してしまうこともあるかもしれません。
しかし、現実には普通にあり得ることです。(形は違いますが何度も似たようなことを見たことあります)
なので、パニックになった母親はリアルに思えましたし、女の子の行動には涙が出てきました。邪推せずに現実にあり得ることとして読んでいただければ、感動とカレーを食べたくなる気持ちに素直に包まれます。
物語としてもよくできていると思いましたので、是非みなさまにオススメします!!
ラストのたった一言の締めくくりも良かったです。とりあえず今晩はカレーになりました(笑)
本編の『♂♀探偵本宮忍の事件ファイル』大ファンの私は、美味しい話&恋の話コンテストに感謝しております。
何故なら、作者様がコンテスト用に書いて下さったからです。
つまり、名(迷?)コンビの活躍が叶ったのです。
私は、それだけでも満足でしたが、本作の『カレー食べにいきます』の物語も大満足でした。
悲しいかな。誰かが困っているから回るのがこの手の物語なのです。
頑張る母親。果たされなかった約束。分かってはいても寂しい娘の姿が消える。
安心して下さい。迷コンビが無事解決してくれます。
私は途中、「ナマステ」の店長さんに怒られましたが、カレーも事件解決の一端を飾ってくれます。
本宮くんと梨央ちゃんの関係は、未だに解決の糸口が無いんですよね。解決しているように見えるのですが、やんわりと焦らされて。
美味しい話も、恋の話も同時に楽しめてしまう物語です。
もし、本編の『♂♀探偵本宮忍の事件ファイル』が未読でしたら、是非とも読んで下さい。一ファンとしてお願い申し上げます。
私は本編である『探偵 本宮忍の事件ファイル』のファンです。
イケメンだけど残念なことにオネェの本宮君と、男勝りの桜井さんが事件を解決していくシリーズなのですが、とにかくキャラクターがいいんです。その二人が出てくるスピンオフなら見逃す手はありません。
そして今回は女の子失踪の事件、不思議なメモ、そしてカレー、とハートフルな楽しい物語となっております。
そうそうキャラクターばかりではありません。ちょっとひねりの効いた謎解きミステリーも健在、さらに事件を通してのハートフルな展開も見逃せません。
ファンなのでちょっと字数が多くなりましたが、とにかく面白いです!
本編読んでない方は是非そちらも。おすすめです。
タイトル・序盤の内容から美味しい話かと思わせておいて、バックに流れるのはちょっとじれったい恋心。素敵ですね。
加減の仕方が丁度良く、物足りなさを一切感じさせない物語。
美味しい&恋バナコンには勿体無いくらいの、残り香だけで数週間過ごせる作品です。(コンテストをさりげなくディスる勇気)
読めば解ると思いますが、本来ならこれだけの良作なので、何も本宮君のスピンオフにする必要は無かったと思います。
しかし、そうしたからこそ二人の関係や心の動きも分かるので、どちらを取るかとなった時に、心情描写の活きる道を選んだ作者の選択に本心から心酔しますね。
ラストが夜に設定させているのも秀逸で、梨央の心の中では「月がきれいですね」的な逆ナンワードが思い浮かんでいるのかな? 本宮君の月に映える白シャツを見ながら答えを出したのかな、と考えるとほっこりを通り越して胸の中を意味のある風が吹き抜けます。
多くの方に読んでもらいたい作品です。
勿論、本編を先に読んでからね!
『♂♀探偵 本宮忍の事件ファイル』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882196645