刑事物の王道。根底には社会派ドラマ。強い読み応え有り。

都内某所で発生する猟奇殺人事件。根底には幼児虐待問題が横たわっている事が殺害現場から容易に想像できる。
犯人探しと虐待問題への取組みと、一粒で二度美味しい作品です。
容疑者が次から次へと現れ、事件の構図は最後まで分かりません、きっと。
でも、犯人の主張と言うか、目指す事は読んでいて直ぐに理解できます。密かに犯人にエールを送りながら読み進めるのではないでしょうか。
登場人物の過半は幼児虐待に無縁とは言えない設定。事件に対する態度・行動も千差万別です。だからこそ、物語に奥行きが生まれ、重厚な作品に仕上がってます。
登場人物の設定を背景に事件の構図に戻ると、複雑の一言。詳しく書きたいけど、ネタバレになるので控えます。途中に別件の事件が発生するが、それも上手く回収されます。兎に角、最後まで気を抜けない。それだけを伝えておきます。

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