四通目

拝啓、


 アンティークな家具で囲まれたリビングの、そこにあるソファーで寛ぐあなたは優雅で、その手に持つ本があなたの印象を高めます。綺麗な黒髪は開け放たれた窓から吹き込む風に流されて、リビングに舞う髪の匂いは上品です。白いレースのカーテンは鳥が羽を広げたように雄大で、あなたを包み込みます。


 リビングテーブルからはローズティーのほのかな香りが漂い、ウェッジウッドが鳴らすカップとソーサの音は気品に溢れます。読んでいらっしゃる本は西洋貴族が舞台のミステリー。あなたこそその舞台のヒロインに相応しく、是非ともこの手でお守りしたいと希望を抱きます。


 よく晴れた日の昼下がり、あなたを迎えての寛ぎの時は贅沢と言う他ありません。この幸福を噛み締めながら、私はあなたをこれからも見守ります。


敬具

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