八通目
拝啓、
まだ不安ですか? まだお分かりになりませんか? 私はずっとあなたの近くにいるのです。今この時も。だから外部の人間は必要ないのです。探偵も弁護士も不要なのです。盗聴器などはありません。盗撮もされておりません。あなたを彩るこの洋館でそんな物があれば私が処分しております。あなたは私に守られているのです。ですからどうぞご安心下さい。
アンティークの家具とそれを包む内装の中で、あなたは優雅でお上品に生活をし、その美貌を高めております。私はあなたの生活が一つでも損なわれぬよう、いつ何時も見守っております。
壁に添えつけられた大きな振り子時計にしても、私が調節の鍵を回しております。ね? 最近は一度も狂っておりませんでしょ? あなたはどうぞ平穏を感じて下さい。
敬具
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