となりの彼

好きなひとの好きなひとは私ではない。そんな高校３年生の女の子のお話です。

切なくて明るくて残酷で、そしてとても綺麗な余韻の残るお話でした。

短編なのですが、この後にこの人たちはどうしたのだろう、と、考えたくなる余白を凄く感じます。短いのにずっと長く心に残るなんて、なんて素敵で危険な事なのでしょう。

ここで終わらせた方が良いと思いますか？ それとも続けるのでしょうか？ あるいは、そんな事は、本人でもコントロールできないのかもしれません。

願わくば、このお話の人たちに、幸多からんあことを。
そんな楽しみ方のできる素敵なお話をありがとうございました。

目立たない彼女が片想いをする相手は左どなりの人気者の彼で、
女の子と遊ばなくなった彼が片想いをする相手は英語の先生で。

見つめてしまうから、気付いてしまった彼女。
叶わない想いだと気付きたくなかっただろう彼。

しなやかに綴られる、よくある鮮やかで切ない恋の思い出を
大事に胸の中にしまったまま、二人はきっと別々に大人になる。

片思いの男の子には、好きな人（先生）がいて、その恋が破れていく様を隣の席からじっと見守る女の子。いつか左側が温かくなるように、と祈りたくなるお話でした。