ローマ軍の密命を帯びた青年は、蛮族の美しき巫女と出会った

隆盛を極めんとするローマ帝国はゲルマニアとの戦の最中にある。
ゲルマニアは未開の地、蛮族の住む地とされてはいるものの、
ローマ軍はなかなかに強硬な抵抗に遭い、時には打ち負かされる。
そうした形勢を覆すべく、青年プブリウスは密命を帯びていた。

ルピア湖畔の塔に住む巫女、ヴェレダの歌に酔いしれ、
偶然から彼女の本音に触れたプブリウスだったが、
思いもかけぬ急報がもたらされて状況は激変する。
巫女と再び見えるや、プブリウスが取った行動とは?

古代史にも西洋史にもにも苦手意識があるのだけれど、
本作は硬派で的確な文体が心地よく、面白く拝読した。
作中に登場するゲルマニアの文化や風俗は興味深い。
ハイファンタジー好きにもおすすめしたい歴史小説。

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