この一杯に出会えなければ、今の私はない。
- ★★★ Excellent!!!
すこし想像したの。読んですぐに。
この作品はきっと営業マンの悲哀の話。報われない人生。
そんな時にあたたかい立ち喰い蕎麦に救われる。
思った通りの展開にも関わらず
丁寧に描かれた世界に引き込まれていく。
息がまだ白い富山のその駅に、一緒に降り立つ思いがした。
その空気感、重い気分、心情に沿うような鉛色の空。
働く人間には、時に理不尽なことが起こる。
彼がその一杯の蕎麦に出会った時
ああ、この感じは知ってる。そう思った。
あの時、あのタイミングでなければ、在り得ないものだったんだね。