一杯の立ち喰いそばを通じて幸福感に対する考察がされていました。シンプル故にストレートに心に響く作品でした。立ち喰いそばというチョイスが絶妙で、身近だからこそ強く共感できます。読んだ後も思わず「あーわかるわー」と納得できました。
前職が購買でした。基本的に利益と品質の板挟み、かつ供給確保という電話とメールに追われる日々を思い出します。それに立ち食いソバ、僕は大好きです。時間があれば必ず出張先で食べてました。不思議と美味いんですよ。カケ蕎麦にタマゴ、機嫌がいいとエビ天、懐かしい気持ちにさせていただきました。
タイトル通りです。ミシュランには載っていないけれど三ツ星メニューがここにあります。いつでもそこにさえ行けば300円で買える立ち食いそば。けれども三ツ星になるにはさまざまな条件が必要なようです。こんな三ツ星メニューを食べられればきっと人生豊かになる。こんな三ツ星メニューを自分で探して自分ミシュランを作ってみては?
コインにの量や重さでは得られない温かさがあると、胸に沁みました。本人の誠実さや人柄に関係なく、その立ち位置ゆえに降り注ぐ重圧をたった1人で耐え抜き、凍てついた心身で立ったカウンターは、どこまでもあったかい。その湯気や香りまで漂ってきそうな作品です。みんな……がんばれー!!!
雪国を謝罪行脚する営業マンの苦労……底知れぬものがあります。心身ともに冷え切ったところに出される一杯の温かいそば。間違いなく最高のご馳走になるでしょう!空腹は最大の調味料というが、環境もまた大切な調味料だということを思い起こさせます。
すこし想像したの。読んですぐに。この作品はきっと営業マンの悲哀の話。報われない人生。そんな時にあたたかい立ち喰い蕎麦に救われる。思った通りの展開にも関わらず丁寧に描かれた世界に引き込まれていく。息がまだ白い富山のその駅に、一緒に降り立つ思いがした。その空気感、重い気分、心情に沿うような鉛色の空。働く人間には、時に理不尽なことが起こる。彼がその一杯の蕎麦に出会った時ああ、この感じは知ってる。そう思った。あの時、あのタイミングでなければ、在り得ないものだったんだね。
働く人が皆、共感できる美味しい物話。その時の気分で同じもの食べたのに美味しさが違う。どんなに辛い事があっても、さいご『美味しかったよ!ごちそうさん!』で1日が締めれたらいいよね!蕎麦屋さんもお客様に美味しい蕎麦と元気を与えたい。そんな気持ちを込めて打ってます。頑張って!
思い出を紐解くとき、ともに蘇る食事のシーン。味や匂いの記憶は、気持ちと同じ時間を刻み、思い出となる。つらいことも悲しいことも、ふんわり優しく包み込んでくれる。