パワフルな夏海の「初めて」

「頭が良い」ってなんだろう?
最近よく思うんです。日本社会においては多くの大人たちが理想と現実の狭間で働いていますが、実際は自分の願望を押し殺しながら、組織の一員として、役割を演じる歯車として「やりたくもない仕事」をこなしていることが多いんだな、と。官公庁、民間問わず。若くしてエリートと呼ばれる人ほどそんな気がします。

ラテン系の人たちからは「お前ら、バカなの? まったく理解できないんだけど?」くらい言われてそうなんですが、実際、個人的な話を抜きにしても、効率とかとか物事の本質とか、どの観点から見てもおかしい仕事って、世の中にはいっぱいありますよね。

そんなフラストレーションのたまる現代社会をぶち壊し、スカッとさせてくれる、そんなお話です。
読後に「あたまでっかちじゃ務まらない女将の仕事って、実は夏海にとって天職なんじゃないか?」なんて思い、最初のころを読み返すと、彼女自身の成長ぶりが伺えてしみじみきました。

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