柔らかな質感の春に、出会った。

 普通の恋愛小説とは違って、とても質感が柔らかかった。
 祖母との思い出の山菜を軸に物語は進み、主人公はある女性と出会う。
 その女性もまた、主人公の祖母を知る人物だった。
 題名の「春が宿る」と言う題名が、すとんと腑に落ちる展開で、とにかくこの作者様の手腕がすごい。
 主人公の名前がどうしてこの名前なのか、という解もそこにはあって、祖母が主人公をどのように思っていたのかが、端的で無駄のない文章で描かれているのも良かった。

 是非、是非、御一読ください。

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