香り高く沸きたつ気持ち

 本作を読むと、コーヒーが飲みたくなる。公園のベンチで物思いにふけりつつ缶コーヒーを傾けるも良し、隠れ家めいた喫茶店でマスターの秘伝を味わうも良し。
 桜に想いが絡むのは王道ながら、主人公の知的好奇心に満ちた観察力が秀逸。それを受けてか受けずでか、さらりと登場する彼に嫌味がなくて更に良い。
 またあの店にいきたい。

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