コマドリのはなし
女学校から抜け出した少女たちを、残された少女たちはふたつの呼び名を与える。コマドリと、ニセコマドリ。コマドリは、自ら出て行く少女たちへ。ニセコマドリは、ある日突然、消えてしまう少女たちへ。ニセコマドリたちがどうなるのか、誰も知らない。
ただ、英は、自らがどちらにもならないことを知っていた。英は、永遠にこの女学校から出ることはない。英となる少女たちは、この女学校に永遠があることを知っていた。
そして、いつも少女だけが残った。
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