美が狂気を招いた場所は――。

 短編とは思えないほど、重厚感がある作品だった。磁器のと錬金術、そこに関わる人間関係。城の複雑な人間模様は、ミステリアスである。
 磁器の美しさに魅せられた人々は、狂気の壺の中に落ちていく。
 そして、一人の少年の存在が、狂気を生む。
 どんなに美しい物を作り上げても、人の欲はさらに美しい物を求める。

 この作者様の短編は以前にも拝読したことがあるが、どれもレベルが高いと感じていました。ここでもその手腕が十分に発揮されていて、読むことが出来て良かったです。しかも、知識豊富で、思わず唸る場面もいくつもありました。磁器をテーマにこれだけ書けるとは、さすがでした。

 是非、是非、ご一読ください。

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