トイレはこんなドラマチックな場所だったんだ!

どんなときでも、人はもよおさずにはいられない。
恋人と過ごしているときも、一人寂しい夜も、人生の門出や晴れの舞台でも。

トイレは世界中にあり、誰もがトイレを使う。トイレは用を足す場所であるだけでなく、一人になれる空間であり、普段は会話を交わさない人とすれ違ったり、二人きりになったりすることがある場所でもある。

そんなトイレだからこそ生まれる悲喜こもごものドラマを、大(5分程度で読める)小(1分程度で読める)織り交ぜた一話完結の形で、全52話に及ぶ小説にしているのがこの作品です。

ひたすらトイレにまつわる話でありながら、時に笑わせ、泣かせ、青春時代を思い起こさせ、話が異世界に飛んだり、蘊蓄を聴かせたり……。変化に富んでいて、飽きることがありません。また、尾籠(びろう)な話も出てくるのに、下品な作品になっていないのは、作者さんの教養とユーモアセンスの賜物だと思います。

かと思うと、突然下ネタ全開の歌を作詞して、それがまた大爆笑なのですが。

この小説を1日1話ずつの日めくりカレンダーのようにして、トイレに貼っておきたい。
でも、そんなことしたら、トイレから出られなくなるかな。

……と思うくらい面白い小説です。

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