まるで星の王子様の一節のような物語

 これは「誰かに校閲・しっかりとした(略」用の辛口レビュとなります。

 心温まるストーリー。「大切なことは目に見えない」という星の王子様の1文のような物語でした。
 特に子どもの描き方が良いですね。思わず萌えてしまいました。

 問題点はまず、終盤のおばあさんのカタルシスが弱いところです。
 何故人の声真似をしているのか? それが見えないため、ラストで想いが昇華されない。
 もちろんヨモギさんの思いは描かれている。けれどそれは、ラストで「よかった」と想い涙を流すものではない。
 涙を流した理由をもっと盛り込むことで、読者はもっとヨモギさんに感情移入をして、「よかった」の一言で強い感動を味わえるようになることでしょう。

 次に、「死んでしまった人の声から先に忘れていく」ですが、これは正しい情報ですか?(正しい情報であれば、スルーしてください)
 忘れる順番は人によりますし、印象の強さにもよります。
 忘却の順序について調べましたが、「論文」などは出て来ませんでした。
 情報の信頼性はどうなのか? ネットの個人的な発言ではないか? ちゃんとした論文や統計学見地から導き出されたものであるか?など。情報の真偽は小説を格上で大切なものです。
 もし怪しいのであれば、あやふやに表現した方が良いです。
 たとえば「死んでしまった人の声から先に忘れていくんじゃないかしら。だからみんな、私に電話をするんだわ」など。これだけでも効果としては十分ですし、ヨモギさんの哲学が垣間見える一文になります。

 以上、辛口になって申し訳ありません。
 今後とも頑張ってください!

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